三越劇場とタニマチ

三越劇場の歴史を調べて書いているうちに、相撲のタニマチなんかを思いだした。またフランスの「貴族の義務」という言葉も思いだされた。文化や伝統は、心ある篤志家によって守られてきている。
民主主義は大事な概念だと思うのだが、悲しいかな、衆愚にもつながる側面も否定できない。勿論、寝食足りて礼節を知るのも当然で、食うことを優先しているときに、文化も芸術もあったもんじゃない。けれどどんなに悪い時代であっても、誰かがそういったものを守っていかないといけないんだろうと思うのだ。
富める人は、それだけ社会国家から恩恵を受けている。それを自分の才覚だけと思ってしまうのか、そうでないのか、そこに成金と本当の富者の差もあるように思う、三越劇場の再興の歴史を見るに、なんだかそんなことを考えてしまった。

伝統と歴史に+1